ジョージタウン大学(Georgetown University、ワシントンDC)教育・労働力センター(Center on Education and the Workforce:CEW)は6月28日、米国大学ビジネスプログラムの経済価値を調査・比較した報告書「人気専攻分野の学位は報われる:大学1,700校超のビジネスプログラム5,500件の経済価値ランキング(The Most Popular Degree Pays Off: Ranking the Economic Value of 5,500 Business Programs at More Than 1,700 Colleges)」を発表した。これによると、大学及び学位の種類によって卒業者の年収・学資ローン負債額に違いはあるものの、大半のビジネスプログラムでは、卒業から2年後の平均年収は、学資ローン返済額の約10倍であることが判明した。具体的に、ビジネス関連学位保有者の卒業から2年後の年収から学資ローン負債返済額を差し引いた平均額は、準学士号保有者3万ドル、学士号保有者4万3,200ドル、修士号保有者5万1,600ドルであった。その他の主な結果は以下の通り。

  • 大学別にみると、学資ローン負債返済額を差し引いた卒業生の正味年収が高い大学は、準学士号レベルではエクセルシオカレッジ(Excelsior College、ニューヨーク州、4万4,400ドル)及びユニオン郡カレッジ(Union County College、ニュージャージー州、4万4,400ドル)、学士号レベルではビスマルク州立大学(Bismarck State College、ノースダコタ州、10万3,200ドル)、修士号レベルではペンシルバニア大学(University of Pennsylvania、16万5,600ドル)。
  • 性別で比較すると、22~27歳のビジネス学士号保有者の47%を占める女性の平均年収は4万4,600ドルであるのに対し、男性は5万500ドル。また、ビジネス修士号保有者の43%を占める女性の平均年収は7万5,600ドルであるのに対し、男性は9万9,000ドル。
  • 人種別で見ると、ビジネス学士号保有者の初期キャリアにおける平均年収は、アジア系労働者(5万1,300ドル)が最高で、以下は、複数人種(4万8,600ドル)、白人(4万8,600ドル)、ラテン系(4万2,600ドル)、黒人(4万700ドル)、米国先住民・アラスカ先住民(3万9,400ドル)。一方、ビジネス修士号保有者では、アジア系(10万ドル)が最高で、以下は、白人(9万2,000ドル)、ラテン系(7万7,700ドル)、黒人(6万5,000ドル)。
  • 職種別にみると、ビジネス学位保有者の12%はキャリア初期(22~27歳)に会計士・監査職に就き平均年収は5万7,000ドル。最高は金融・投資アナリスト及び証券・商品・金融サービス販売代理職に就く者で平均年収は7万1,000ドル。以下、管理アナリスト(6万7,000ドル)、コンピュータシステムアナリスト(6万5,000ドル)などが続き、最低は秘書・事務職で平均年収は3万8,000ドル。

 

なお、本報告書は、<https://1gyhoq479ufd3yna29x7ubjn-wpengine.netdna-ssl.com/wp-content/uploads/cew-roi_business_degrees-fr.pdf>からダウンロード可能。

 

Georgetown University Center on Education and the Workforce, Business Students’ Median Earnings 2 Years After Graduation Are Roughly 10 Times Their Debt Payments, Georgetown CEW Finds

http://cew.georgetown.edu/wp-content/uploads/GeorgetownCEW_Business-Degrees-Press-Release_6-28-22.pdf