米国及び英国政府は7月20日、プライバシー強化技術(privacy-enhancing technology:PET)の開発・導入促進を目的として開催を予定するコンペの詳細を発表した。本コンペは、2021年12月に行われた「民主主義サミット(Summit for Democracy)」で最初に発表されたもので、米英政府から総額160万ドル(130万ユーロ)の賞金が付与される。本コンペ入賞者が提案するソリューションは、2023年前半に開催予定の第2回民主主義サミットにおいて披露される。本コンペは、①金融犯罪防止改革、②パンデミック対応能力強化、という2つのトラックで構成される。1つ目のトラックは、国際的マネーロンダリングの問題に対応するための技術イノベーションを促進するもので、コンペ参加者は、高セキュリティ金融メッセージサービスを世界中に提供する国際銀行間金融通信協会(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunications:SWIFT)が作成するデータを使用する。また、米国金融犯罪取締ネットワーク(U.S. Financial Crimes Enforcement Network:FinCEN)や、英国の金融行動監督機構(Financial Conduct Authority:FCA)、個人情報保護監督機関(Information Commissioner’s Office)、及び、英国国家経済犯罪センター(U.K. National Economic Crime Centre)なども同コンペに協力する。一方、2つ目のトラックは、個人の感染リスク予測を可能とするプライバシーを保護したソリューションの開発を通して、現在及び将来の公衆衛生緊急事態に対する世界的な準備を強化するもので、バージニア大学(University of Virginia)生物学的複雑性研究所(Biocomplexity Institute)が作成したデータセットを使用する。同トラックでは、米国疾病管理予防センター(U.S. Centers for Disease Control and Prevention:CDC)、イングランド国民健康保険(NHS England)、英国データ・分析研究環境(Data and Analytics Research Environments U.K.)などが協力する。

 

なお、本コンペの詳細は、<https://petsprizechallenges.com/>から閲覧可能。

 

The White House, U.S. and U.K. Launch Innovation Prize Challenges in Privacy-Enhancing Technologies to Tackle Financial Crime and Public Health Emergencies

https://www.whitehouse.gov/ostp/news-updates/2022/07/20/u-s-and-u-k-launch-innovation-prize-challenges-in-privacy-enhancing-technologies-to-tackle-financial-crime-and-public-health-emergencies/