バイデン大統領は8月24日、年収12万5,000ドル未満の米国人、もしくは、世帯年収25万ドル未満の米国家庭を対象に、連邦学資ローン負債最高1万ドルの返済を免除することを発表した。また、低所得層学生対象の「ペルグラント(Pell Grant)」を受給した連邦学資ローン利用者に対しては、返済免除額が最高2万ドルとなる。さらに、9月1日に終了予定であった連邦学資ローン返済一時停止措置を12月31日まで延長し、返済再開は2023年1月とした。返済免除の対象となるのは2022年7月1日までに利用した連邦学資ローンで、大学院生対象のローン及び学生の保護者対象のローンも含まれる。学資ローン負債を抱える米国人は約4,500万人で、今回の大統領発表での返済免除対象となるローン利用者の90%は、年収7万5,000ドル未満の低・中所得者である。但し、収入に基づく返済(income-driven repayment:IDR)プランに登録するローン利用者約800万人については、教育省(Education Department)が収入に関する情報を保有しているものの、それ以外のローン利用者については情報がないため、IDRプラン登録者以外は返済免除を申請する必要があり、詳細情報は今後数週間以内に発表される。それ以外に、バイデン大統領は、新たなIDR計画案を提示しており、①学士課程在籍のために利用した連邦学資ローンの月々返済上限額をローン利用者の月収の10%から5%に引き下げ、②IDR計画の下で20年間返済した場合に認められる残りの負債の返済免除に関し、10年間返済後に負債残高が1万2,000ドル未満の場合は残額を返済免除、を提案している。
The White House, FACT SHEET: President Biden Announces Student Loan Relief for Borrowers Who Need It Most
Inside Higher ED, Biden Cancels Student Loan Debt for Millions
- 投稿タグ
- FY2022