バイデン大統領は12月29日、連邦議会上下院で可決された2023年度統合歳出法案に署名し、これを法制化した。教育省(Department of Education)予算は、2022年度予算から32億ドル増の796億ドルとなったが、大統領予算案で要求した883億ドルを下回った。高等教育関連では、連邦学資援助プログラム予算246億ドルを割り当て、低所得層学生対象の連邦奨学金「ペルグラント(Pell Grant)」の1人当たりの年間最高受給額は、2023-24年度から現行より500ドル増の7,395ドルとなる。また、マイノリティ受入大学など歴史的に資金が不十分な大学に支給する連邦補助金は、前年度比1億3,700万ドル増の10億ドルとなる。その他の教育・科学関連省庁予算における特筆事項は以下の通り。
• バイデン政権による連邦学資ローン返済免除計画に関しては、同計画実行のために新たな予算は割り当てられていないものの、最高裁判所が同計画を許可した場合は実行を制限せず。
• 歴史的黒人大学(Historically Black College and University:HBCU)、マイノリティ受入大学(Minority-Serving Institution:MSI)、部族大学(Tribal College)における研究インフラ投資を支援する新規プログラム予算に5,000万ドルを割当(大統領予算案では4億5,000万ドルを要求)。
• 低所得層学生対象の連邦学生サービスプログラム「トリオ(TRIO)」予算に前年度比5,400万ドル増の11億9,100万ドルを割当。
• 低所得層高校生の大学進学準備支援を目的とした助成プログラム「ギア・アップ(GEAR UP)」予算に前年度比1,000万ドル増の3億8,800万ドルを割当。
• 高等教育課程に在籍する低所得層学生を対象にした保育費補助プログラム(Child Care Access Means Parents in School Program)予算に前年度比1,000万ドル増の5,500万ドルを割当。
• 科学関連省庁では、国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)予算が前年度比25億ドル増。また、米国科学財団(National Science Foundation:NSF)予算が前年度比10億ドル増。
なお、2023年度統合歳出法案の省庁別詳細は、<https://www.appropriations.senate.gov/news/majority/chairman-patrick-leahy-d-vt-releases-fiscal-year-2023-omnibus-appropriations-bill>からダウンロード可能。
Inside Higher ED, More Money for Pell Grants, Research
https://www.insidehighered.com/news/2023/01/03/more-money-pell-grants-research-federal-budget
National Association of Student Financial Aid Administrators, Biden Signs FY 2023 Budget Into Law With Increases to Pell Grants and Student Aid
https://www.nasfaa.org/news-item/29709/Biden_Signs_FY_2023_Budget_Into_Law_With_Increases_to_Pell_Grants_and_Student_Aid
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