米国科学財団(National Science Foundation:NSF)傘下の米国科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)は、2020年度に米国非営利機関が実施した研究開発活動費は推定約280億ドルとの調査結果を発表した。これは、2020年度の米国全体における推定研究開発費の4%に相当し、2016年度からは24%増となる。主な結果は以下の通り。
• 研究開発資金源は連邦政府が最大で、全体の44%に相当する123億ドルを提供。2番目は非営利機関の自己資金で、全体の22%に相当する60億ドル。
• 資金源は非営利機関の種類によって異なり、例えば、科学技術機関では非営利機関の自己資金が占める割合が14%であるのに対し、医療ケア機関では27%、その他の非営利機関では25%。一方、連邦政府資金が占める割合は、科学技術機関では59%であるのに対し、医療ケア機関では37%、その他の非営利機関では19%。
• 非営利機関が2020年度に実施した研究開発活動の内訳は、基礎研究が45%(127億ドル)、応用研究が39%(108億ドル)で、実験的開発が16%(45億ドル)。
• 分野別にみると、生物・生物医科学及び衛生科学が全体の75%(210億ドル)で最多。以下、心理学・社会科学が7%(19億ドル)で、工学が6%(160億ドル)。
• 2020年度に非営利機関での研究開発活動に従事した従業員総数は21万3,794人で、フルタイム相当従業員(full-time equivalent:FTE)数は15万2,596人。FTE数の内訳は、研究者38%、技術者38%、補助職員24%。また、FTEの半数以上は医療ケア機関に所属。医療ケア機関では、補助職員の占める割合が他の種類の非営利機関よりも高い28%。
National Center for Science and Engineering Statistics, U.S. Nonprofits Spent $28 Billion on R&D Activities in FY 2020
https://ncses.nsf.gov/pubs/nsf23316
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