米国大学教授協会(American Association of University Professors:AAUP)は6月21日、「2021-22学年度大学教員経済状況年次報告書(The Annual Report on the Economic Status of the Profession, 2021-22)」を発表した。これは、年次調査「大学教員報酬調査(Faculty Compensation Survey)」の結果をまとめたもので、米国大学900校以上が提供したフルタイム教員約37万人及びパートタイム約教員9万人に関する雇用データと、500校以上の大学執行部上級幹部に関するデータに基づいて作成された。主な結果は以下の通り。

  • 2021-22学年度の大学フルタイム教員の平均給与は前学年度比2%増で、2000年代後半の大不況時から変化なし。
  • インフレ調整後の2021年の大学フルタイム教員の平均年収は、2008年レベルを3%下回る。また、2020年と比較すると5%減で、1972年にデータ追跡を開始して以来、1年間で最大の減少率。
  • 2021-22学年度に退職金プランに加入していたフルタイム教員は全体の2%で、前学年度から2.8ポイント増。
  • 2021-22学年度のフルタイム女性教員の平均年収は、男性教員の9%。また、性別による格差を役職レベル別に見ると、教授職における格差が最大。
  • 2021-22学年度のフルタイム女性教員数は、2019-20学年度と比較して6%増であるのに対し、男性教員数は2.5%減。
  • 2021-22学年度の非常勤教員の1講座当たりの平均給与は、最低の公立準学士号大学で2,979ドル、最高の公立博士号大学で5,557ドル。
  • 2020年秋学期は、5%の教員が非常勤契約。

なお、本報告書は、<https://www.aaup.org/file/AAUP_ARES_2021%E2%80%932022.pdf>からダウンロード可能。

American Association of University Professors, AAUP Report Documents the Largest Decrease in Real Wages on Record

https://www.aaup.org/media-release/aaup-report-documents-largest-decrease-real-wages-record