米国大学教授協会(American Association of University Professors:AAUP)は、「2021-22学年度大学教員給与調査(2021–22 Faculty Compensation Survey)」の暫定的データを発表した。これによると、2021-22学年度のフルタイム大学教員給与は前学年度比2%増で、調査を開始した1972年以降で最小の増加率となった。但し、インフレ調整後(約7%)は前学年度から5%減となり、1979-80学年度以降で最大の減少率となった。AAUPは、フルタイム・パートタイム教員別の給与データをそれぞれ分析した詳細結果を2022年後半に発表する計画である。その他の主な結果は以下の通り。
- 全セクタの大学で見ると、教授の平均年収は14万3,823ドルで、准教授は9万7,724ドル、助教8万5,063ドル、講師6万2,874ドル、非常勤講師6万9,499ドル。但し、私立博士課程大学では、上記平均額よりも高額の傾向。
- 性別で見ると、女性教授の平均年収は13万1,028ドルであるのに対し、男性教授は15万596ドル。性別による格差はキャリア初期の助教レベルでも見られ、男性助教の平均年収は8万9,533ドルである一方、女性助教では8万1,181ドル。
- 地域別でみると、ニューイングランド地域・大西洋沿岸中部地域・太平洋沿岸地域の大学に勤務する教授の給与は、他地域の大学に勤務する教授よりも高額の傾向。
- 非常勤講師が指導する1講座当たりの給与は、大学の種類により約3,000~5,000ドルが平均的であるが、最低額は372ドル。
- 学長の平均年収は、博士課程大学では60万2,854ドルで、学士課程大学では34万9,411ドル。一方、準学士課程大学では平均24万5,000~30万ドル。
- 大学別でみると、私立博士課程大学教授の平均給与が最高であったのはコロンビア大学(Columbia University、ニューヨーク州)の28万8,00ドルで、スタンフォード大学(Stanford University、カリフォルニア州、26万9,100ドル)、プリンストン大学(Princeton University、ニュージャージー州、26万6,100ドル)がこれに続く。一方、公立博士課程大学ではカリフォルニア大学ロサンゼルス校(University of California, Los Angeles)の24万300ドルが最高で、上位4大学はいずれもカリフォルニア大学システム傘下。
U.S. News & World Report, U.S. News Ranks 2023 Best Graduate Schools
https://www.usnews.com/education/best-graduate-schools/articles/us-news-ranks-best-graduate-schools
Inside Higher ED, https://www.insidehighered.com/news/2022/04/07/professor-pay-fell-5-percent-year-counting-inflation
https://www.insidehighered.com/news/2022/04/07/professor-pay-fell-5-percent-year-counting-inflation
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