高等教育関連情報を提供するインサイド・ハイヤー・エド(Inside Higher ED)社は5月11日、調査会社のハノーバー・リサーチ(Hanover Research)社に委託して実施した米国大学学務部長対象の調査結果をまとめた報告書「2022年大学最高学務責任者調査(2022 Survey of College and University Chief Academic Officers)」を発表した。これによると、学務部長の大半は所属大学の教育プログラムに全般的に満足し、約半数は教養教育要件の有効性に関する評価を最近行ったという。主な結果は以下の通り。
- 学務部長の89%は教養教育に対して肯定的見解を持ち、学士課程・専門教育の中心は教養教育と認識。その一方で、71%は今後5年間で教養大学数は大幅に減少するとの見解に「同意」「強く同意」と回答。
- 学務部長の86%は、健全な学士課程教育には健全な教養学部(英語など)が必要との見解を持つ一方で、69%は政治家・理事会はSTEM(Science, Technology, Engineering, and Math)及び専門教育プログラムを優先していると回答。
- 所属大学の財務状況に関しては、過去1年間で状況が向上したか否かについて見解が分かれたが、約41%は、2020年の経済後退をきっかけに学務予算を変更。また、87%は、新規学務プログラム立ち上げに関する学内協議において、財政的懸念が蔓延と回答。
- 才能ある教員の採用・保持に成功していると回答した学務部長は全体の22%のみ。また、学生・家族が負担する価格の高騰を有効に管理していると回答した学務部長は31%のみ。
- 学務部長の59%は、教員による職務への取り組みは非常に積極的と回答しながら、大学執行部との繋がり及び執行部からの支援を感じていない可能性を懸念。
- 3分の2弱の学務部長は、教員の終身雇用制度(テニュア)は重要と回答。また、現行のテニュアシステムに代わる長期契約システムについては、学務部長の60%が賛成し、40%が反対。
なお、本報告書は、<https://www.insidehighered.com/booklet/2022-survey-college-and-university-chief-academic-officers>に必要事項を記入後、ダウンロード可能。
Inside Higher ED, Provosts Stand Firm in Annual Survey
https://www.insidehighered.com/news/survey/provosts-stand-firm-annual-survey
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