米国政府は、ロシア政府によるウクライナ侵攻に対応し、ロシア政府との二国間科学技術研究協力の制限に向けた指針を明らかにした。これは、米国政府機関、及び米国政府から支援を受けてロシアとの共同研究開発活動を実施している機関を対象としたもので、ロシア政府に関連する研究機関及び、これらの研究機関に所属する、もしくはこれらの研究機関からの支援を受けて研究活動に取り組む個人との関係を徐々に縮小することが指示されている。具体的に、ロシアがウクライナ侵攻を開始した2022年2月以前に助成が支給された米露共同プロジェクト及びプログラムは、研究が完結するまで活動継続が可能である一方、新規プロジェクトが開始されることはない。また、連邦省庁は、ロシア政府に関連する大学及び研究機関のリーダー、及び、ウクライナ侵攻への支持を公表する個人との交流を縮小するよう指示されている。一方、非政府の研究機関は、それぞれの判断の下でロシア科学コミュニティとの関係性を決定すべきとした。なお、米国政府は、ロシア国外への出国を選択する科学者及び、米国内での滞在延長を選択する科学者に対しては、差別や偏見の対象とならないように支援を提供すると約束し、米国民及び国際コミュニティに対しても同様の対応を推奨している。
The White House, Guidance On Scientific and Technological Cooperation with the Russian Federation for U.S. Government and U.S. Government Affiliated Organizations
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- FY2022