米国学生情報研究センター(National Student Clearinghouse Research Center)は6月28日、2020年秋学期の大学新入生が1年後に高等教育機関で2年目の学習を継続する割合を調査した報告書「持続・保持:2020年秋学期大学新入生コホート(Persistence and Retention: Fall 2020 Beginning Postsecondary Student Cohort)」を発表した。持続率(persistence rate)は、1年目と同じ高等教育機関であるか否かにかかわらず2年目に高等教育機関に在籍した学生の割合、保持率(retention rate)は、1年目と同じ大学で2年目も在籍する学生の割合を指す。これによると、全体的持続率は75%で、前年から1.1ポイント増となったが、パンデミック前のレベルである75.9%には及ばなかった。また、1.1ポイント増のうち、0.9ポイントは1年目とは異なる高等教育機関に編入した学生の増加、0.2ポイントは同じ高等教育機関に在籍した学生の増加によるものであった。その他の主な結果は以下の通り。

  • 持続・保持率増に貢献したセクタはコミュニティカレッジ及び営利4年制大学で、それ以外の4年制大学では持続・保持率が僅かに低下。
  • 人種別に見ると、前学年度に持続率6ポイント減となったラテン系学生が0.7ポイント増と回復。また、大半の人種・民族グループで持続率増加が見られる中、米国先住民学生は2.8ポイント減。
  • 全体的持続率向上は、2020年秋学期大学入学者数が前年同期比9%減(25万5,000人減)と激減したことにも関連。減少した新入生数の58%(14万6,700人)はコミュニティカレッジにおける入学者減少によるもの。

National Student Clearinghouse Research Center, Persistence and Retention: Fall 2020 Beginning Postsecondary Student Cohort

https://nscresearchcenter.org/persistence-retention/