ノースカロライナ大学グリーンズボロ校(University of North Carolina at Greensboro)経済学部教授のマーティン・アンダーセン(Martin S. Andersen)氏らは、新型コロナウイルス感染症パンデミック中の2020年秋学期に対面式講座を再開した米国大学に関し、その大学キャンパスが所在する郡単位での同感染症感染件数を調査した研究結果を発表した。調査は、2020年6月24日~11月9日の20週間に亘って行われ、これによると、当該大学が所在する784郡では、2020年秋学期の対面式講座再開後の新型コロナウイルス感染症感染件数が人口10万人当たり4.9件増加し、秋学期開始前と比較すると37%増となった。特に、感染件数増加率の高い郡は、2020年秋学期開始の数週間前に感染件数が高かった郡に居住していた学生が多数在籍する大学を擁する郡であった。また、調査期間中では、年齢10~29歳のグループのみの感染件数が増加していることから、大学生の感染件数増加を反映したものと分析されている。さらに、同調査結果から、2020年秋学期の対面式講座再開が、新型コロナウイルス感染症感染件数1日あたり1万1,500件増に繋がったと結論付けられている。

 

PLOS One, College openings in the United States increase mobility and COVID-19 incidence

https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0272820