米国科学財団(National Science Foundation:NSF)傘下の米国科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)は9月20日、報告書「高等教育機関に対する連邦科学工学支援は2020年度に3%増(Federal Science and Engineering Support to Higher Education Increased 3% in FY 2020)」を発表した。これによると、大学科学工学活動支援を目的とする2020年度の連邦支出は、2019年度比で3%増の391億ドルであったことが判明した。但し、インフレ調整後の2020年度支出は344億ドルで、2009年度の378億ドル、2010年度の374億ドルを下回った。主な結果は以下の通り。
- 大学科学工学活動への連邦支援支出総額の36%(141億ドル)は、大学20校が受給。このうち95%は「研究開発」カテゴリーに分類される活動に対する支援。これら20大学以外の大学が受給した総額251億ドルに関しては、92%が「研究開発」活動を支援。
- 連邦支援受給額が最高であった大学はジョンズホプキンス大学(Johns Hopkins University、メリーランド州、19億5,000万ドル)で、以下、ミシガン大学(University of Michigan、8億400万ドル)、ワシントン大学(University of Washington、7億8,900万ドル)が続く。
- 高等教育機関への連邦科学工学支援を拠出する17省庁のうち、①国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)を含む厚生省(Department of Health and Human Services、249億ドル)、②NSF(62億ドル)、③国防総省(Department of Defense、28億ドル)、④エネルギー省(Department of Energy、17億ドル)、の4省庁が全体の91%を拠出。
- 2020年度の歴史的黒人大学(Historically Black College and University:HBCU)への科学工学連邦支援支出総額は3億5,400万ドル。受給額が最高であったのは、ノースカロライナA&T州立大学(North Carolina A&T State University)の2,800万ドルで、同大学は2016年度以降毎年受給額がHBCUの中では最高。
National Center for Science and Engineering Statistics, Federal Science and Engineering Support to Higher Education Increased 3% in FY 2020
https://ncses.nsf.gov/pubs/nsf22341
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