大学進学標準試験「ACT」を運営する非営利機関のACTは、2022年高校卒業者のACT試験総合平均は19.8点で、1991年以来初めて20点を下回ったことを明らかにした。ACTのジャネット・ゴッドウィン(Janet Godwin)CEOは、平均点は5年連続で低下しており、新型コロナウイルス感染症パンデミックが始まる前からの傾向が続いているとしたが、特に2022年卒業者の低下度合いは憂慮すべきとしている。ゴッドウィン氏は、長年に亘る問題がパンデミックによって悪化したもので、パンデミック前の状態に戻すだけでは不十分であり、持続的修正措置と高校生の学力回復を国家的優先事項とすることが必要とした。また、大学1年時に受講する単位取得講座で合格点を取る確率が高いことを示す指標として各科目別に設定されているACT大学準備ベンチマーク(ACT College Readiness Benchmarks)に全科目で到達していない高校4年生の割合も増加を続けているといい、具体的に、2022年高校卒業者のうち、全科目でACTベンチマークに到達した生徒は全体の22%で、前年の25%から低下した一方、全科目でベンチマークに到達しなかった生徒の割合は、前年の38%から42%に増加している。その他の主な結果は以下の通り。
• 2022年高校卒業者のACT総合平均点は、2021年卒業者の20.3点から0.5点減。
• 2021年と2022年を比較すると、英語の平均点は0.6点低下(19.6点→19.0点)、読解力は0.5点低下(20.9点→20.4点)、科学は0.5点低下(20.4点→19.9点)。
• ACT試験を受験した2022年高校卒業者のうち、最低3科目でACTベンチマークに到達した生徒は全体の32%のみ。
• ACT試験受験者が卒業者全体に占める割合は、2015年の27%から2022年では60%に増加。
• 2021年高校卒業者の大学進学率は57%で、前年の59%から低下。

なお、2022年高校卒業者のACT試験結果詳細は、<https://www.act.org/content/act/en/research/services-and-resources/data-and-visualization/grad-class-database-2022.html>から閲覧可能。

ACT, Average ACT Score For the High School Class of 2022 Declines to Lowest Level in More Than 30 Years
https://leadershipblog.act.org/2022/10/GradClassRelease2022.html