カレッジボード(College Board)は10月24日、年次報告書「大学学費と学資援助の傾向(Trends in College Pricing and Student Aid)」を発表した。これによると、2022-23学年度の大学授業料は、公立4年制大学の州内在住者で前学年度比1.8%増、公立2年制大学で同1.6%増、非営利私立4年制大学で3.5%増であったが、インフレ調整後の平均授業料及び手数料は、上記全てのセクタにおいて前年よりも減少した。また、学資援助利用額は、2011-12学年度をピークに毎年減少している。カレッジボード上級政策研究科学者のジェニファー・マ(Jennifer Ma)氏は、同報告書の主な結果として、①平均大学学費は僅かに増加、②学資ローン利用額は11年連続で減少、③授業料正味価格の減少が継続、④インフレ調整後の返済不要な奨学金総額は2年連続で減少、の4点を挙げている。マ氏は、①に関連し、授業料が前学年度から据え置かれた州が2年制大学で8州、公立4年制大学では9州あったことにも言及した他、④については、主に在籍学生数の減少によるものとした。その他の主な結果は以下の通り。
• 2022-23学年度の公立4年制大学の州内在住者向け授業料が最低であったのはフロリダ州の6,370ドル。最高であったのはバーモント州の1万7,650ドル。全米平均は1万940ドル。
• 学資援助額を差し引いた後の授業料正味価格は、公立4年制大学で2,250ドルと予想されるのに対し、非営利私立4年制大学では1万4,630ドル。
• 公立2年制大学の平均授業料正味価格が最低であったのはカリフォルニア州の1,430ドル。最高であったのはバーモント州の8.660ドルで、2番目に高額であった州の平均正味価格を約1,300ドル上回る。全米平均は3,860ドル。

なお、本報告書は、<https://research.collegeboard.org/media/pdf/trends-in-college-pricing-student-aid-2022.pdf>からダウンロード可能。

Inside Higher ED, Report: Small Rise in Tuition Rates
https://www.insidehighered.com/news/2022/10/24/college-board-report-shows-minimal-tuition-increases