教育省(Department of Education)は3月2日、高等教育法(Higher Education Act)の下で教育長官に付与されている、経営破綻した私立大学リーダーに対して当該大学が抱える教育省への負債を大学リーダー個人の負債とすることを義務付ける権限に関し、これを行使する方法の概要を提示した指導書を発表した。本指導書は、教育省が特定の個人に対し、当該人物が所有・運営する高等教育機関の連邦学資援助プログラム参加条件として、教育省への負債を個人的負債と見なすことを義務付ける可能性がある場合の状況を明記し、同責任を義務付けるか否かを決定する際に考慮する検討事項の詳細を記載している。同債務負担を義務付けられる人物は、連邦学資援助プログラム参加にあたって契約書に署名し、大学閉鎖や学資ローン利用者保護の下でのローン返済免除などで生じた負債を当該教育機関が支払わない場合、個人の債務として返済責任を負うことになる。教育省のジェームズ・クバール(James Kvaal)次官は、現政権の下で営利大学による詐欺行為の被害を受けた連邦学資ローン利用者100万人超がローン返済免除を受けたが、多くの事例で当該大学オーナー・経営役員らが債務から免れているとし、今後は本指導書に則って、学生や納税者を保護するとともに、大学がリスクのある行動を取ることを抑止するとコメントしている。なお、大学オーナー・経営役員らに債務を負わせる状況には、①連邦学資援助及び、大学による不正・詐欺・虚偽表示・消費者の損害・財務上の違法行為などの主張に関連して、教育省及び他の州・連邦省庁が提起した民事・刑事訴訟、示談、懲罰、法的措置、②プログラム評価・監査結果、負債の未払い、管理能力の欠如などといった、顕著なコンプライアンス上の問題、③大学の財務の健全性に著しく影響を及ぼす役員報酬・報奨制度、などを挙げている。
Department of Education, Education Department Takes Steps to Hold Leaders of Risky Colleges Personally Liable
https://www.ed.gov/news/press-releases/education-department-takes-steps-hold-leaders-risky-colleges-personally-liable
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