米国学生情報研究センター(National Student Clearinghouse Research Center)は3月9日、新型コロナウイルス感染症パンデミック後の大学生の編入状況を調査した最新報告書「編入と進展:2022年秋学期報告書(Transfer and Progress: Fall 2022 Report)」を発表した。本報告書は、教育科学研究所(Institute of Education Sciences)及び教育省(Department of Education)からコミュニティカレッジにおけるパンデミックからの回復に関する分析支援、アセンディウム教育グループ(Ascendium Education Group)から学生の収入分析支援を受けて作成された。これによると、特にコミュニティカレッジにおいて、新入生数、継続在籍学生数、社会人学生数、編入学生数の減少が過去に類を見ないほど著しく、高等教育セクタ全体に影響を及ぼしていることが明らかにされた。主な結果は以下の通り。
• 2022年秋学期の大学編入学生数は継続して減少しているものの、減少率は前年同期からやや回復。但し、編入学生数の減少率は、前学年度と同じ大学に在籍する学生数の減少率を上回る。
• 2022年秋学期に2年制大学から4年制大学に編入した学生数は引き続き減少。また、2年制大学から4年制大学への編入学生数は、パンデミック中にあらゆる収入レベルの学生において減少。
• 特に、都市部・郊外のコミュニティカレッジ、編入に重点を置いたコミュニティカレッジに入学した学生にとって、4年制大学への編入がさらに困難となる傾向。
• 競争率の高い著名公立大学及び私立大学への編入は、世帯当たりの収入が米国内上位20%の家庭の学生が大多数。
• パンデミック中に一時休学していた学生の復学がパンデミック後初めて増加(5.4%増、2万6,800人増)。復学者の約40%はオンライン講座を主とする大学に復学。
• コミュニティカレッジから4年制大学に編入した学生の入学後6年以内での卒業率は、5年目・6年目にパンデミックの影響を受けたにもかかわらず向上。
なお、本報告書は、<https://nscresearchcenter.org/wp-content/uploads/TransferProgressFall22.pdf>からダウンロード可能。
National Student Clearinghouse Research Center, Transfer and Progress Fall 2022 Report
https://nscresearchcenter.org/transfer-and-progress/
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