米国科学工学医学アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)は3月14日、報告書「遺伝学・ゲノミクス研究における母集団記述子の使用(Using Population Descriptors in Genetics and Genomics Research)」を発表し、遺伝子・ゲノムデータを活用する研究者・科学者に対し、人種・民族・祖先ラベルの使用について、その方法・理由を再考し正当化すべきと主張した。本報告書は、人種は社会概念であるためヒトの遺伝子変化を表すプロキシとして使用すべきではなく、ゲノム・遺伝子研究において人種をヒト遺伝子の違いを表すサロゲートとして使用することは、誤解を与えるだけでなく不正確且つ有害としている。また、ゲノミクス研究改善に向けて、適切な記述子・ラベルの選択に役立つ新たな枠組み及び決定木を提示している。本報告書が提示するその他の主な提案事項は以下の通り。
• 全ての参加者に一貫したラベルを適用。
• グループのラベル付けで使用する専門用語に関し、その意味合いと影響に注意。
• グループのラベルの選出・指定のプロセスを開示。
• 助成機関・科学学術誌などを含む研究の主要パートナーは、研究方針・手順が米国アカデミー作成の「ゲノミクス研究における母集団記述子としての人種・民族・祖先の使用委員会(Committee on the Use of Race, Ethnicity, and Ancestry as Population Descriptors in Genomics Research)」が提示する提案事項に遵守。
なお、本報告書は、<https://nap.nationalacademies.org/read/26902/chapter/1>から閲覧可能。
National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine, Researchers Need to Rethink and Justify How and Why Race, Ethnicity, and Ancestry Labels Are Used in Genetics and Genomics Research, Says New Report
https://www.nationalacademies.org/news/2023/03/researchers-need-to-rethink-and-justify-how-and-why-race-ethnicity-and-ancestry-labels-are-used-in-genetics-and-genomics-research-says-new-report
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