政府説明責任局(Government Accountability Office:GAO)は6月14日、米国大学において留学生及び外国人研究者が輸出規制対象情報や機密情報を不正に入手して外国政府に提供するというリスクに関し、商務省(Department of Commerce)、国土安全保障省(Department of Homeland Security)、及び、連邦捜査局(Federal Bureau of Investigation:FBI)による対応状況を調査した報告書「輸出規制:執行機関は米国大学が関与する取り組みの標的を定めるために情報活用を改善すべき(Export Controls: Enforcement Agencies Should Better Leverage Information to Target Efforts Involving U.S. Universities)」を発表した。GAOは、関連法・規則の見直し、省庁データの分析、省庁職員からの聞き取り調査などを行った結果、①これら3省庁は、機密技術の流出を阻止する努力の強化に向けて大学対象のアウトリーチを実施しており、アウトリーチが主要な執行メカニズムと認識、②商務省によるアウトリーチは、大学のリスクレベルに関する分析結果に基づくものではなく、アウトリーチの優先度の指標となるリスク要因を特定していないことから、大学のリスクに関するさらなる情報があればアウトリーチを強化できる可能性あり、③国土安全保障省は、アウトリーチ対象となる大学約150校をランク付けし、FBIは、アウトリーチ優先度に関する指標を全ての支部に提供しているものの、どちらの省庁も1つのリスク要因のみに基づいて判断しており、関連するリスク要因をさらに特定・分析することで、大学のリスクレベルに関する理解をさらに深められる可能性あり、などが判明した。これらの結果を受けて、GAOは、これら3省庁に対し、リスクのある大学に対するアウトリーチの優先順位付け能力を強化する提案事項8項目を提示し、いずれの省庁もこれに同意している。

 

なお、本報告書は、<https://www.gao.gov/assets/gao-22-105727.pdf>からダウンロード可能。

 

Government Accountability Office, Export Controls: Enforcement Agencies Should Better Leverage Information to Target Efforts Involving U.S. Universities

https://www.gao.gov/products/gao-22-105727