政府説明責任局(Government Accountability Office:GAO)は2月16日、治験審査委員会(Institutional Review Board:IRB)に関する調査を行い、IRB市場の構成や、厚生省(Department of Health and Human Services)人間研究保護局(Office for Human Research Protections:OHRP)及び食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)によるIRB監督状況などをまとめた報告書「治験審査委員会:連邦政府による監督改善及び有効性調査のための対応が必要(Institutional Review Boards: Actions Needed to Improve Federal Oversight and Examine Effectiveness)」を公開した。GAOは、本報告書作成にあたり、連邦法規制及び2010年~2021年6月に発表された論文の見直し、IRB登録・医薬品申請・検査データの分析、FDA・OHRP職員及び専門家・関係者や11のIRBから聞き取り調査を行った。その結果、①治験医薬品研究のうちIRB審査を受けたのは、2012年には25%であったのが、2021年は48%、②FDAとOHRPは、米国IRB約2,300組織を監督するが、定期的IRB調査を行う件数は、OHRPが年間3~4件、FDAは年平均133件で、いずれも2010年~2021年にリスクベースのIRB評価は行わず、③FDAとOHRPは、被験保護におけるIRB審査の有効性に関する評価を行わず、などが判明した。これらの結果を受けて、GAOは厚生省及びFDAに対し、年次リスク評価の実施を含む提案事項4項目を提示した。厚生省は、これらの提案事項に同意している。

なお、本報告書は、<https://www.gao.gov/assets/gao-23-104721.pdf>からダウンロード可能。

Government Accountability Office, Institutional Review Boards: Actions Needed to Improve Federal Oversight and Examine Effectiveness
https://www.gao.gov/products/gao-23-104721