「2020年米国人工知能イニシアティブ法(National AI Initiative Act of 2020)」の下で2021年6月に立ち上げられた米国人工知能(AI)研究リソース(National Artificial Intelligence Research Resource:NAIRR)タスクフォースは5月25日、AIリソース格差に対応する取り組みに関する中間報告書「米国AI研究リソース(NAIRR)の展望:予備調査結果及び提案事項(Envisioning a National Artificial Intelligence Research Resource (NAIRR): Preliminary Findings and Recommendations)」を大統領と連邦議会に提出した。AIは、科学的発見を主導すると共に世界に変革をもたらすが、AI研究開発に参加する道は限られ、AIに必要な先進計算能力及びデータへのアクセスは、技術系大企業及び資金力のある大学に限定されており、適切に対処されなければ格差が生じてAIイノベーションに支障をきたす可能性がある。本報告書は、米国の研究コミュニティのニーズに応えるために、国家サイバーインフラの構造・計画・運用・管理方法の展望を提示するものとなっている。報告書発表に当たり、米国科学財団(National Science Foundation:NSF)先進サイバーインフラ局(Office of Advanced Cyberinfrastructure)ディレクターでNAIRRタスクフォース共同議長のマニシュ・パラシャー(Manish Parashar)氏は、地理学的・人口統計学的にあらゆる観点をAI研究開発に含めることで、最高のAIイノベーションが可能になるとし、AIリソースギャップの橋渡しをすることで、誰もが恩恵を受けるAIイノベーション機会が得られるとコメントしている。

 

なお、本報告書は、<https://www.ai.gov/wp-content/uploads/2022/05/NAIRR-TF-Interim-Report-2022.pdf>からダウンロード可能。

 

National Science Foundation, Bridging the resource divide for artificial intelligence research

https://www.nsf.gov/news/special_reports/announcements/052522.jsp