大統領府科学技術政策局(White House Office of Science and Technology Policy:OSTP)は1月11日、新たな助成機会、研究インフラ改善、新進研究者による研究参加機会拡大、一般国民による幅広い研究参画機会拡大などを含む、オープン且つ公平な研究の振興に向けた新たな行動計画を発表した。具体的に、①国家オープンサイエンス政策の振興、②連邦助成受給研究結果の一般への公開、③発見・イノベーションの促進、④国民からの信頼の促進、⑤より公平な成果の推進、などを目的とした活動に連邦政府全体で2023年末まで取り組む「オープンサイエンスの年(Year of Open Science)」イニシアチブを立ち上げた。主な行動計画は以下の通り。
• OSTP及び国家科学技術会議(National Science and Technology Council:NSTC):米国政府全体で使用するオープンサイエンスの定義を、「多様な文化の尊重、安全保障とプライバシーの維持、協力・再現性・公平性の発展を行いながら、研究成果・プロセスを全ての人々に利用可能とする原則と実践」と発表。
• 各連邦省庁:OSTP及び行政管理予算局(Office of Management and Budget:OMB)に対し、研究開発支出が年間最低1億ドルの省庁は2023年2月21日まで、それ以外の省庁は8月20日までに、一般公開計画最新版を提出。
• 商務・エネルギー・NASA・国防情報管理者グループ(Commerce, Energy, NASA, Defense Information Managers Group:CENDI):連邦政府全体における新しいオープンサイエンスイニシアチブ・助成機会・プログラムについて学ぶことができる一般向けオンラインリソースを立ち上げ。
• 米航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration:NASA):「オープンサイエンスへの転換(Transform to Open Science:TOPS)」プログラムの下、学生・研究者・一般向けオープンサイエンスカリキュラムを展開。
• 国立衛生研究所(National Institutes of Health):1月25日付で、大半の競争的助成申請及び内部研究手続きにおいて、研究者に「データ管理・共有計画(Data Management and Sharing Plan)」の作成と科学データの適切な共有の最大化を要求。
• 米国科学財団(National Science Foundation:NSF):地球科学局(Directorate for Geosciences:GEO)が、新たな助成機会「地球科学オープンサイエンスエコシステム(Geosciences Open Science Ecosystem:GEO OSE)」を発表。

The White House, FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Announces New Actions to Advance Open and Equitable Research
https://www.whitehouse.gov/ostp/news-updates/2023/01/11/fact-sheet-biden-harris-administration-announces-new-actions-to-advance-open-and-equitable-research/