大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy:OSTP)は10月4日、人工知能(AI)及びその他の自動システムが、米国民の権利を保護する形で設計・開発・導入されることを支援する「AI権利章典ブループリント(Blueprint for an AI Bill of Rights)」を発表した。これは、①安全且つ有効なシステム、②アルゴリズムに基づく差別からの保護、③データプライバシー、④通知・説明、⑤代替オプション、の5つを保護すべき主要な権利として提示し、米国社会の不平等性を再現または深刻化させる可能性を持つAI・自動システム導入に伴う問題に対応することを目指すものである。また、大統領府は同日、本ブループリントを推進するために連邦政府全体で取り組む対策を発表した。主な取り組みは以下の通り。
• 労働者の権利を守るために、労働省(Department of Labor)が労働者にとっての「AI権利章典ブループリント」の意義をブログで解説。
• 均等な雇用機会を促進するために、雇用機会均等委員会(Equal Employment Opportunity Commission:EEOC)と労働省が雇用均等再考イニシアティブ(Hiring Initiative to Reimagine Equity:HIRE)を立ち上げ。
• 学校におけるAI利用を指導するために、教育省(Department of Education)が教育・学習用AI利用に関する提案事項を2023年前半までに発表。
• 医療ケアにおける差別から患者を保護するために、厚生省(Department of Health and Human Services)が新規則案を発表。また、医療公平性を促進するために、厚生省が医療アルゴリズムにおける差別縮小のための手段を含む構想を2022年末までに発表。
• 信頼性あるAI技術促進のために、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)がAIリスク管理枠組みを開発。

なお、「AI権利章典ブループリント」は、<https://www.whitehouse.gov/ostp/ai-bill-of-rights/>から閲覧可能。

The White House, FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Announces Key Actions to Advance Tech Accountability and Protect the Rights of the American Public
https://www.whitehouse.gov/ostp/news-updates/2022/10/04/fact-sheet-biden-harris-administration-announces-key-actions-to-advance-tech-accountability-and-protect-the-rights-of-the-american-public/